2015年11月10日 (火)

Pt|ラストリベリオン

既に(私の中では)お馴染みとなっているPlayStation Nowにてレンタルプレイ。God of War: Ascensionのようなゴリゴリのアクションではないので、遅延に影響されることなく、快適なプレイ感覚で12時間弱ほどでコンプリートしました。

さて、ラストリベリオンというとKOTY(クソゲーオブザイヤー)の大賞にも輝いた実績から“スベリオン”の異名を持つクソゲーの代名詞として知られていますが、個人的には「そこまで酷くはなかった」というのが率直な感想です。これより悲惨なゲームなんて幾らでもあるし、まあ言ってもフルプライスですから新品購入組であれば思うところはあって当然ですが、裏を返せば、これで価格が2,000円程度であれば大きな括りで見た時に割と普通のゲームだよね、と。

Image:Last Rebellion

より正確を期した書き方をすると、確かにクソゲーではあるがクリア後感は悪くなく、なかなか面白かった、というお手前になります。そう、確かにクソゲーではあるのですよ、PS2に毛が生えた程度のグラフィックを始め、持ち物の整理が一切出来ないUIや、今時カメラ操作がリバース標準でコンフィグ設定も出来ず、移動時にランなどを使っていると宝箱との軸合わせにすら苦労する操作性の悪さ、エンカウントやイベント時の演出の味気なさ……というか映像的な演出なんか皆無に等しいですし、何か事が起こった───と言えば画面が白く光って紙芝居が進みますから、全体的に作りが貧弱なんですよ。

ですが、それでも個人的な感想としてはそこまで悪くない、という結論です。コンセプトとしては割と王道的(と言っていいのかどうかは分かりませんが)なファンタジー路線を志向しているので、変にこってりと凝ったものが多い昨今では逆にあっさりとした味わいが新鮮なのと、何故か英語音声/日本語字幕で作られ、キャストも如何にも低予算な作品でよく聞くような役者が使われている(海外ドラマを眺めているような)寸劇も、物語の展開に奇を衒ったところがないのでストレスが無く、台詞の裏を読むような余地すらなくサクサク進むのでプレイの再開に気苦労がない=モチベーションが持続するというのも一つ。全体的に貧弱で質素、味気ない、という部分がどういう訳か「手軽に遊べる」という良い方向に転がっていることが多い、というのが本作の特徴です。

結局、個別の要素を全体の心象としてそこまで好意的に解釈できるのも、理由としては、プレイ時間の大半を占める戦闘が意外と面白かったこと、そして、本作最大の収穫であるBGMが良かったという点が大きい。

バトルフェーズでは確かに物理は有効で、プレイヤーレベルが1上がる毎のステータスアップ幅も大きいので、何も考えなければそれ一辺倒になってしまうのも無理はないのですが、しかしながら、弱点魔法は物理以上の驚異的なダメージ源ですし、各部位のコンボを見極めるのも意外と楽しい。面倒臭いと思われがちな要素を糞真面目に正攻法で攻略した時、妙に癖になる反復作業の繰り返しは、案外馬鹿に出来ない戦略性と素性の良さを持ち合わせていると感じます。まあ、全体を通して10時間ほどでサクッと終わるお手頃感がいい具合にまとまっている───ということですから、これが一周クリアに20時間以上も掛かるようなRPGならまた話は違ってきますけどね。

それにしても、この世界観を彩る音楽の魅力的なことよ。耳に馴染む劇中スコアの良質さったらなく、そのお陰でプレイが苦にならないという側面は間違いなくあるので、個別にサウンドトラックが販売されていない事実が残念でなりません。大きな機会損失ですよ、これは。

ということで、個人的には「クソゲーではあるが悪いものではない」というポジティブな評価を下せるだけの体験を得られたのが本作です。私は家庭用ゲームが好きですし、特に前世代機で俄にゲーム熱が復活して以降は、一つのハードウェア、一つのタスクにユーザー体験を集約することで広く浅く様々なジャンルの経験値を吸収できているので、自分のキャパシティには充分収まる範囲の作品だと言うことです。

クソゲーが如何にクソゲー足り得るか、というのは個々人の感性や視野の広さにも左右される問題なので、本作がクソゲーであるという核心については全く否定しませんが、これがKOTYの大賞であるというのは、煽りを抜きにしても少々近視眼的に過ぎるかな、とは思います。

獲得したトロフィー

レベル:24(54%)

プラチナ:77
ゴールド:351
シルバー:924
ブロンズ:2878

合計トロフィー数:4230

タイトル 達成率 (%)
【NEW】Last Rebellion ↑100

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