2016年01月01日 (金)

アースウォーズ - EARTH WARS

謹賀新年。漠然とした不安の中で迎えた10年目の区切り、通り過ぎてみればあっという間の2015年も何とか綱渡りの内に生き延びることが出来たようです。あわよくば2016年もささやかな日常があらんことを。今年もよろしくお願い致します。

ということで、気分的には年間を通して最も捗る時期、年末年始ではありますが、ホームゲームとしてのDestinyを裏に抱えている事情もあって、積みゲー崩しというと、まず何よりも気軽さ、手軽さが優先されている昨今。直近のタイトルであるアルカディアスの戦姫、ぽっちゃり☆プリンセス~メタ冒険~などはその筆頭ですね。

中でも、アルカディアスの戦姫に見られる2DアクションRPGは「手頃さへの回帰」という意味ではホットなジャンルであり、ご執心な今日この頃です。

このEARTH WARSも着眼点はそこであり、一番初めに注目した点は体力制、レベル制の2Dアクションという部分。ただ、最終的に決め手となったのは扉絵(タイトルバナー/メインビジュアル)の渋さ。まるでコンセプトアートがそのまま出てきたかのような精緻なタッチで再現される各種のイラストワークは、小規模開発らしい厨二モダンな感性を示唆するアイコンとしても優秀です。

Image:EARTH WARS

さて、元イメージエポックのメンバーが創設した新鋭スタジオ・ワンオアエイト("一か八か"ってことですかね?)による国産インディーズタイトルとして区分されている本作。

ある意味とても"らしい"ゲームで、尖っているし攻めてもいるが稚拙な部分もあり(エンディング主題歌にはずっこけた)、大手ならそこはもっとマイルドに調整するだろうなぁという部分でも情緒的なセンス頼りで独りよがりだったり、良いところと悪いところがハッキリしていて、なかなか厄介なゲームです。人を選ぶ要素も、癖もある作品ということですね。

しかし、その"一癖"こそが人を惹き付けてやまない魅力なのか、元来コツコツとした地味な育成作業やハクスラが好きな私などはドハマりしてしまいまして、「おいおいふざけんなよコラ」などと悪態を付きながらも、日に5時間6時間はゆうに、ついつい遊びふけってしまうような何かがあるゲームでした。

Screenshot:EARTH WARS|大剣

例えば、矛盾点のスポイルとしてよく言われるのが、コンボで豪快に粉砕する爽快感とテクニカルなブースト移動によるスピード感を相殺してしまうステージギミック。早くも第二章辺りから雲行きが怪しくなってくるので、ある程度スキルが出揃う、装備が整う、といった下準備が伴わないまま重力反転ステージに放り込まれてみたり、その後もダメージ床や足場の悪さは最後まで続くので、せっかくのポテンシャルを生かしきれないまま、劣悪なフィードバックによるフラストレーションで脱落してしまうプレイヤーも多いだろうなぁと。

そして、UIの悪さ。ソートの出来ない持ち物リストやスキルツリーの煩雑さといった部分もそうなのですが、そもそもの根本的な思想として、非常に視認性の悪いフォントレイアウトにしてもHUDにしても、ユーザー体験よりもまずは見映え、オサレ感、体裁を優先しているのだろうなと。良く言えばSF的な世界観ですが。だもんげ、ゲーム内で得られる情報は、情報自体はあるのに導線が欠落していて取っ付きにくい......という具合に長所と短所が随所で喧嘩しているので、洗練されているとは言い難い。

ですが、それだけ素材にはこだわっている内容なので、かつてのアーマード・コアを彷彿とさせるような───フリーミッションのブリーフィング情報にしても趣向が凝らしてあって読み進めるのが楽しいし、あくまでもサイドクエストとしての歩を弁えているフリーミッションはそれ自体の回転が早いので、そこにハクスラとしての反復作業も絡んでくるもんだからまさに止め時が見付からない。

また、ゲームエンジンが非常に軽く、実装と最適化もまあまあ具合がいいようで、ロード時間は皆無、リセットマラソンすら考慮しているのではないかという快適さなのは素晴らしい。PS4の圧倒的なマシンパワーは、何も重厚長大なリッチエフェクトの為だけにあるものではないので、こういう足回りの軽快さ、小回りの利くアプローチに関しては今日の開発環境下ではますます増加傾向にあり、良い循環が生まれていますね。

で、このEARTH WARS、結局のところ、トロフィーコンプリートまでに30時間は掛かったので、見た目とは裏腹に非常にガッツリとしたコンテンツ量があった訳ですが(ハクスラなのでまだまだ先は長いですが)、しかしこの間、期間にしてみれば一週間も要していないので、疲労も体調不良も忘れてしまうくらい、一体全体どれだけのめり込んで遊んでいたかと言うことですよ。「30時間があっという間」の怒涛感ったらない。ある意味手頃なゲームですわ、後が怖いけど。

惜しむらくは、トロフィーセットが激シブなこと。最高ランクがシルバー1つで残りは全部ブロンズですから、幾ら2,000円やそこらのDL専用タイトルとはいえ、どんだけ渋いんだって話です。この価格帯(1,000円〜3,000円)だと、手前味噌なコレクションを眺めるだけでもフルセットタイトルは6〜7本ある訳で、プレイ時間を考えればプラチナがあっても良かった内容だと思います。

追記(2016.11.1)

「Earth's Dawn」と若干名前を変えて、EARTH WARSに+αした海外版の配信が開始されていますが、あろうことかプラチナ・トロフィーがあるようです。足元見た商売しているでしょう?

こういう特定の地域やユーザーに対して誠実さを欠いたメーカーは信用しないし贔屓しないことにしているので、とりあえず仮に"次"や"この先"があったとしても「もう容易には買わねえ」という気持ちです。よしなに。

獲得したトロフィー

レベル:25(15%)

プラチナ:80
ゴールド:364
シルバー:971
ブロンズ:2995

合計トロフィー数:4410

タイトル 達成率 (%)
【NEW】EARTH WARS ↑100
【NEW】Grow Home ↑100
【NEW】The Swapper ↑100
【NEW】Unmechanical Extended ↑100

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