2016年03月26日 (土)

この素晴らしい世界に祝福を!

TOKYO MX→BS11→ニコニコ動画といういつもの週3ルートで完走。

今期は「このすば」に「ギャル子」と比較的豊作だったのですが、私の記憶が確かならば、新作アニメを完全消化できるのは久々のこと。ガンダムや仮面ライダーですら地上波作品は全くチェックできていないことを考えると、何の巡り合わせか、こうして上手いこと入り口にフックすることができて、それが出口まで辿り着けたというのは奇跡的です。

逆に言えば、とっ散らかったデジタルに身も心も疲弊しがちなこのご時世に、リアルタイムで付き合いきれた動機付け自体が、気軽に視聴できて、かつ楽しめる作品だったという証左でもあります。「このすば」原作そのものが異世界モノが飽和しつつある中での変化球(メタ)でありますし、色々と「今」という時流にタイミングよく乗っかった作品でもあったのでしょう。

Image:この素晴らしい世界に祝福を!

本作は製作が角川 + スタジオディーンという要注意物件であり、全10話と尺も短く低予算枠だったことから、決して前評判が高かった訳ではありません。しかし、一転して見事にそれを覆す結果を残せたのは、一重に現場力の高さゆえ。

省エネ仕様の作画に見られるように、潤沢でない予算を逆手に取って、最低限の動きで必要充分な情報を伝える巧みさ、要旨の抽出に秀でていたのが本作の骨頂だと思っていて、それは半端なシリアスパートに逃げずに鬼畜コメディパートを貫徹するという脚本にしても、変態ギャグ一辺倒でも起承転結のメリハリには事欠かない構成にしてもそう。余分な贅肉に費やせるだけのリソースがないゆえ余分な贅肉がなく(哲学)、しかし、伝えるところはしっかり伝える、結果的に、ある意味洗練されているとさえ言えるバランス感覚で全10話をパッケージングできたのは、やはり「かくあるべし」というビジョンが現場で共有され、浸透していたからだろうと素人の私などは考える訳です。愉快で楽しく意識の高い現場()

特に、アドリブの応酬も含めた、表情豊かで腹筋が鍛えられる声優陣の演技が素晴らしかったことでも評価されている本作ですが、そういった役者のポテンシャルを引き出せる環境という意味でも、総じて現場力という点で、まず第一に監督が優秀であり、以下、その陣頭指揮に耐えうるチーム力を発揮した辣腕の作品だったのだと自分は勝手に思っています。省エネ仕様でツボを押さえた表現、ということはその点と点を結ぶ細い線の上をひた走る勇者が一歩でも足を踏み外すとバランスが崩れてしまう匙加減なので、そうそう簡単に量産できるクオリティではないかもしれませんが。

低予算枠でありながら急遽第2期の制作が決定したように、本作はいわゆる“なろう”出身のWeb小説作品の展望を占う、ある種の観測気球だったのだと思われます。そして、それが当たったということは、今後、角川も大々的に制作に乗り出してくるものと予想されますが、「このすば」に限れば、どうかそのままのスタッフ、デザイン、キャストで、上層部が余計な口出しをせずに現場の赴くままに第2期の僥倖を無事乗り切って欲しいと願うばかりであります。

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