2016年06月27日 (月)

ふらいんぐうぃっち

今期のイチオシ、ふらいんぐうぃっちをエンドレスループ√で無事完走。

期待に反して失速するケースや炎上の渦中にある不幸な作品も散見される中で、間をたっぷり使ったのどかな空気感やゆるふわっとした日常描写、相反するようなさり気ないフェティシズムを忍ばせる贅沢なこだわり、シュールなマンドレイク成分や今週の不審者コーナーなど、序盤で掴んだ視聴者の心を最後まで離さなかったのが成功の要因でしょうか。1パートを丸々お茶の間だけで構成できるアニメというのもなかなかあるものではありません。

Image:ふらいんぐうぃっち

この手の備忘録には毎回同じようなことを書き綴っていますが、作品に対する愛情があるというのはやっぱり素晴らしいことだと思うんですよ。制作陣の原作に対する愛があればこそ、送り手側と受け手側との距離感を誤謬せずに広い視野で物事を捉え慮ることができるし、仕上がりに対する気配りや丁寧さのエレメントを積層させることができる。各部門の担当者がそれぞれにいい仕事をする、それだけ大事にされているアニメ作品であれば、原作者すらいちファンとしてOAを楽しめる幸せな循環が生まれます。

特に、OPでの激しい自己主張がネタにされていた桜美かつし監督は原作クラッシャーとしての側面も持ち合わせているらしく、放送開始直後は懸念に苛まれる原作ファンの声も見聞していましたし、随分とやきもきさせられました。しかし、アニメオリジナルの片鱗がそこかしこに顔を覗かせ始めると、それも杞憂だと、良い意味で意識の低い方に意識の高いスタッフ(哲学)が鋭意取り組んでいる代物だと気付くのにそう時間は掛からなかったように思います。監督の代表作の一つに数えられるのは勿論、J.C.STAFFにとっても久々に胸を張って当たりと言える、底力の感じられる作品だったのではないでしょうか。

舞台巡りはとても嬉しいことですが、作家も編集部も青森推しを積極的にしていません。原作者石塚千尋先生は、わざとらしくなることを大変気にしており、「自然な感じで漫画・アニメを通して弘前がいいなあと思ってもらいたい」と常に気をつけております。その結果が自然な形で視聴者を弘前に向かわせているのかもしれません。

「ふらいんぐうぃっち」スタッフインタビュー 漫画・アニメが日本の地方にもたらす魔法とは? (SENSORS) - Yahoo!ニュース

スタッフインタビューなどでも語られていますが、青森県弘前市という実在の土地をモデルにしながら、肩肘張らない感じと言いますか、変に“聖地巡礼”などと気色ばまないで一歩引いた感じと言いますか、自然な流れであわよくば観光にも一役買ってしまおうという、原作者の謙虚な姿勢を最大限酌んでくれているのも良かった。改めて、原作共々、大切にされている作品なんだなぁと感じる次第であります。

一方では、この手の小粒だがピリリと辛い(違う)ヒット作には付き物となっている、演技が達者な若手声優の起用術の上手さ。まさに芸能といった風な木幡“おばあちゃん”真琴や木幡“ウェーイ”茜姉妹の巧みさ、表現力、愛嬌は勿論のこと、実は倉本“女子力”圭君の朴訥さもこの作品の雰囲気作りには一役も二役も買っていたのではないかと密かに思っています。

いやはや、本当に最初から最後まで素晴らしい作品でした。難民を通り越して死人が出そう。実際には「愛情」の一言で片付けてしまうのも違うような気がする業界ですが、ふらいんぐうぃっちに限ればキャストもスタッフもみな最高でしたし、ここに至っては感謝しかありません。

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