2016年07月13日 (水)

天皇陛下「生前退位」の意向、との報道

以下は場末の小市民の小並感といったところですが、例えば───駅伝なんかもそうですけど、私は昔からあの手の沿道に人々が押し寄せて全員が同じ方向を向き、一挙手一投足が同じ挙動で一心不乱に日の丸の小旗をはためかせている、みたいな景色を異様だとか、或いはある種のダサさを感じてしまっているような人間なので、偶像としての皇室にはさして思い入れはありません。

一方では、その政治的な立場の微妙さ故に、何かと政争の具にされ、背後には国粋主義的な影がチラ付く空恐ろしさに、天皇という存在自体を敬遠、忌避すらしていたところがあるかもしれません(要するに“取り巻きガー”というヤツですかね?)。

しかし、今まさに激動の波に揺れる情勢下、このご時世に、今上天皇は日本の象徴として十二分以上の働きを内外に示し、自由と平和、権利と平等を訴え国民に寄り添う、真にリベラルな名君であられたと思います。平成の時代を通して、陛下の真摯な人柄と柔軟な未来志向を目の当たりにできたのは国民としては幸運だったのではないでしょうか?

異様と言えば、それこそ何ℓの下血がどうのとその容態が刻一刻とニュース速報で伝えられる光景、子供ながらに昭和天皇の崩御に至るまでの世の中(メディア)の動きは異常そのものでしたが、流石に今の時代にああいった国民総葬式的な雰囲気は醸成され得ないと思います。が、皇室典範が「死んだら交代」である以上、今上天皇の意向はまさに「明仁」の生き様を示唆する好例かもしれません。21世紀に「上皇」号が復活するなんて、これほどロックなこともありますまい。天皇にも定年制を、ということですね。

まだ「意向」止まりの段階とはいえ、平成の世に穏やかに譲位されることを選ばれたのも、それこそご自身の経験故……といったところがあるかもしれません。ハードワークな公務を離れ、自由人としてご夫婦揃って悠々自適な余生を過ごすことができますよう願っております。

リンク:
天皇陛下 「生前退位」の意向示される | NHKニュース

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