2017年05月12日 (金)

Now Playing|ABINGDON ROAD

「バンドやろうぜ」をコンセプトに西川貴教を中心に結成され、ここ最近は音沙汰がなくなっているabingdon boys school。

2015年末の裏紅白ではμ'sにPPHを打ったり、"持ち歌"である「女々しくて」を熱唱するなど、相変わらず絶好調だった"それは僕たちの兄貴"ですが、実は西川貴教の歌唱の巧みさ、凄味というものをようやく実感したのがabingdon boys school時代であります。

Amazon.co.jp:ABINGDON ROAD

それまでも"声量お化け"という評判は見聞していましたが、意地の悪い言い方をすれば「それだけ」というか、それこそ初期のT.M.Revolution時代には「がなり立てているだけ」という印象すらあったので、サウンドの方向性と相俟って、彼のセルフプロデュースが(私の中では)物事を矮小化する方向に働いてしまっていた感じですね。

それが、意外と正統派なところがあり、しっかり「歌唱力」もあるんだな、歌が上手いんだなという、ある種の技巧、技術に気付いたのがDARKER THAN BLACKのオープニングテーマ「HOWLING」でした。マッチョな体型とは裏腹に一種の照れ隠しがあるのか、そのナルシズムや茶目っ気が故に色物に映りがちなのが西川貴教なので本質を見極めるのに苦労しますが、やはり彼の歌声にはある種の熱量というか暑苦しさがあるので、歌謡曲やロックの方が素材そのものの魅力が伝わりやすいのだと思います。

近年ではabingdon boys schoolとしての活動は一切ないようで、アルバムディスコグラフィも通算2枚止まりなのが残念。メンバー全員がキャリアを築いているバンドなので、単発でのお祭り企画ならともかく、継続的な活動として噛み合うのはなかなか難しいところもあるとは思いますが、「HOWLING」を含めた疾走感あるサウンドでポテンシャルを感じさせた1stは勿論、カルテットとしてのエージングが進み、余裕や遊び心が垣間見えた2nd「ABINGDON ROAD」の楽しい仕上がりは、その先の展望を大いに期待させるものではありました。

とはいえ、最近は自分の中での西川貴教評にまた若干の揺り戻しが来ていて、偏ったオタク志向というか、(何かとSEED・BASARAアッピールが鬱陶しいというのもあって)彼のパーソナリティにはあまり共感できない部分もあるのですが、そんな雑念など吹き飛ばしてしまうほどの圧倒的なパワーと怒涛の制圧力こそが西川貴教のアーティストとしての本懐。私が言うことではありませんが、それこそプロとしての歌手冥利に尽きますね。

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