2017年08月05日 (土)

ゲーマーズ!

2017年夏期の新作アニメも序盤戦のラッシュが終了。

けものフレンズ→フレームアームズ・ガールと続いた癒し枠は途切れてしまいましたが、今期は安定して面白い賭ケグルイ、ゲーマーズ!に加えて、未知数のメイドインアビス、アホガール、この4作品のマラソンに収斂されそう。

賭ケグルイは、この手のジャンルに特有の骨太の演出に加えて、みなみけばりの顔芸を売りにしているところがあるので、終盤に掛けて作画が崩れるようなことがあると一気に熱が冷めてしまう危険があるのでそれこそ博打打ちな印象がありますが、例えば、深夜アニメの飽和と瓦解については10年前から嘆き続けているものの、そういった制作過程の裏側まで深掘りして行くようなオタッキー()な鑑賞を続けていると、やはり職業人でもなければ四半期当たりの新作アニメは片手に収まる程度が限界なんじゃないかと思いますね。

さて、表題のゲーマーズ!は、絵もCVも演出のテンポも良く、間口は広め。基本は高校生活を舞台にした青春ラブコメだと思いますが、ゲームネタを絡めることでオタク特有のエゴを面白おかしく炙り出しており、錯綜する人間関係の機微を描くのが上手。2話・3話で一気に引き込まれることからも分かる通り、既に序盤の時点で人間模様が交錯しているので、後半に掛けてこじれた描写が増えてくるとするとあまり愉快な気分でもいられなくなる気はしますが、そういった不安要素も含めて、今、一番この先の展開が気になるアニメです。

Luce Twinkle Wink☆によるポップで爽やかなEDテーマ「Fight on!」もお気に入り。余談ですが、個人的にはパソコンデビューしてからこの方Macなので、エロゲに関してはプレイ経験がなく知識も半可通なのですが、動画共有サイトやSNSの時代になってからというもの、実は昔から探していたあの曲がエロゲの主題歌だった、ということが割とあります。KOTOKO(I've)はその筆頭ですね。

なお、ニコニコ動画での無料配信は1話のみ。高品質な動画配信サービスが林立しているこのご時世にあって、ニコニコに残された価値はといえば手軽さとコメント機能くらいなので(それ以外にないので)、コメントブーストが期待できなくなる有料配信オンリーというのは残念であるし、それこそニコニコで配信する意味あるのかな?なんて思っちゃいますね。

追記1(2017.09.30)

今期随一の安定した面白さで前のめりに完走した賭ケグルイ。どんなマジックを使ったのかは分かりませんが、作画も大きく崩れることなく、心理戦と顔芸の相性の良さを最後まで魅せきりました。お話もこの先が気になる丁度いいところで区切りを迎えているので、このクオリティが維持されるのであれば(という前提で)、幾らでもおかわりを所望できる作品ですね。

その点、表題のゲーマーズ!は、もどかしいほどにこじれたストーリーがコップの中で二転三転、演出も冴えていたのですが、どうにも作画が安定せず、いわゆる量産型深夜アニメのクオリティ内に収まってしまっていたのが残念でした。多分に原作の面白さで牽引されていた部分はあると思うので、プロモーションとしては成功しているのかもしれません。

追記2(2017.10.1)

メイドインアビスも無事完走。道中、特に中盤以降はちょっと退屈だなぁと持て余しがちだったこともあって、切ろうか継続しようか結構迷っていたところもあったのですが、そんな葛藤も全てはこの最終回の為にあったんだ......という程度には涙腺が崩壊した最終回。泣きすぎ&鼻かみ過ぎで頭が痛くなるほどのボロ泣きっぷり。1時間という尺の中に激情と余韻を詰め込んで、まるでちょっとした映画を一本見たかのような充実した仕上がりでした。

個人的に「特殊な性癖に目覚める」というようなことはないのですが、愛らしい絵柄に反して世界観や内容はヘビーなので、人を選ぶのは事実。なので、あまり繰り返しの鑑賞に向いたアニメではないかもしれません。ただ、こちらも原作の面白さで牽引されている作品ではあるのですが、息を呑むような美しい背景美術を始め、「アニメならでは」の魅力と切り口に恵まれたメイドインアビスの労作ぶりは、誰もが素通りすることが難しい価値あるもの。クオリティと反響のバランスを考慮すると続編や劇場展開などが望めるのかどうかは分かりませんが、2017年の重要作品として、頭の片隅に留めておきたい作品です。

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