2017年08月28日 (月)

機動新世紀ガンダムX Blu-rayメモリアルボックス

∀はちょっと別格ですが、世代的には、多感な時期に最も思い入れの強かったガンダムと言えばV・W・X辺り。この辺は、例えば映像的にも、旧来のサンライズ製ロボアニメの王道に則った最後のアナログ表現が駆使された作品群と言えるのではないでしょうか。

月は出ているか?「機動新世紀ガンダムX Blu-rayメモリアルボックス」2018年3月23日発売決定! | GUNDAM.INFO | 公式ガンダム情報ポータルサイト

最近では、視聴率不振や諸々の悪条件が重なった上での、テレ朝の方針によるニチアサの解体が話題となっていますが、そういう意味では、Xもテレビ局側の都合で朝方に飛ばされ、打ち切りの憂目にあった不遇な作品でもあります。

同枠の前座であるV・G・Wの反動から、一見して、ともすれば地味にすら感じられるXは、しかし、実際にはいぶし銀の如き鈍い輝きを放っており、「ガンダムで育った世代が"ガンダム"という概念を再解釈してみせた作品」とも言える平成ガンダムシリーズにあって、最も真摯に"ニュータイプ"という偶像に向き合った作品かもしれません。

ROMANTIC MODEによる新旧OPに象徴される良質な楽曲と、異色の洋楽テーマであるHuman Touch→銀色Horizonと続くガンダム史上屈指のED(次回予告)......シチュエーションを重視したドラマチックな演出に詩的な名台詞のオンパレードと、何かと見所が多く、再評価は必至のパッケージとなっています。

私の青春でもあったこの時期のガンダム、その中でもXに相応しいのはロマンとドラマ。正直なところ、VやXなどは、放映当時はそのメッセージの半分も理解出来ていなかっただろうと思います。誤解を恐れずに言えば、それだけ受け手の意識が低ければ上辺を掠めるだけで終わってしまうアニメ───そんな作りがその後の私のオタク人生を決定付けたと言えますが、逆に言えば、当時と今とでは受け止め方が変わる作品でもあろうかと思います。

Xのビジョンが紡ぎ出す物語に真正面から向かい合った時、どこまでも深く掘り下げて行けるのがXであり、大人になった今だからこそもう一度噛み締めてみたい作品です。

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