2017年10月19日 (木)

宝石の国

豊潤の秋、新作アニメも豊作。

今期は比較的粒の揃ったクールだと思うのですが、その分、泣く泣く切ることになる作品も多そう。何事にも限度はありますからね。半月の試聴期間を経て、輪転の中心になりそうなのは、宝石の国、魔法使いの嫁、少女終末旅行の3作品か。

表題の宝石の国は、「これぞ3DCGの正しい使い方」といった感のある質量のある作風。主題歌の良さ、コンテの良さ、エフェクトの良さ、フォントの良さ、OPに全ての良さが凝縮されているのも特長です。

煌めきの宝石と聞くとついつい聖剣伝説Legend of Manaなどを思い浮かべてしまいますが、陽炎の淡い輪郭と蒼天とのコントラストは印象的で、奥行きのある世界が美しい。石同士が「ゴトッ」とぶつかり合うSEも小気味良いですが、戦闘BGMなどは浜渦正志印のFF13を彷彿とさせます。

制作はプレスコに近い形態なのかな?と勝手に憶測していますが、その分、キャラの掛け合いも楽しく、中でも、愛されフォスの末っ子感は異常。黒沢ともよの演技力が寄与するところも大きい。

監督は、近作では「ラブライブ!」でもお馴染みの辣腕・京極尚彦。3DCGを多用したメジャー志向の映像作品を安心して任せられる人材の一人だと思います。

一方、魔法使いの嫁は初見になりますが、若干演出に仰々しい(クサい)ところはあるものの、こちらも作劇クオリティの安定した作品。竹内良太を筆頭に、野太く安定したベテラン声優陣が作品の背骨に一本筋を通していますが、個人的には何と言っても種﨑敦美女史が流石の安心感。魅力的な役者であることはもう十二分に伝わっているので、欲を言えば細く長く生き残るのではなく、「今」この瞬間にももっと売れて欲しい声優の一人。

ポストアポカリプス + 日常ものという世界観が異彩を放つ少女終末旅行。こちらも様々な方面から流れ込んでくるエキス、もといエッセンスがOPに凝縮されていて趣がありますが、ポップでキュートなゆるふわ日常描写に大破壊後のミリタリー(サバイバル)と廃墟が映えるという個性的な出で立ちは、実際のところ、多種多様な難民を呼び寄せている様子。

主演二人の良さが生かされている作品でもありますが、特に一頃のシカコは、小泉花陽の重力に魂を引かれるあまり内外にイメージが固定化されていたというか、キャスティングの偏重ぶりに発声も萎縮し、窮屈そうにしていた印象があるので、久々に伸び伸びと演じるシカコの、小泉花陽とはまた違った別の一側面、持ち味が堪能できる作品に出会えて嬉しい。

EDアニメーションは原作者謹製とのこと。OPもEDも揃って完璧というのは珍しく、主題歌についてはチト&ユーリの呼吸がぴったりで楽曲自体もすこぶる良いので、それぞれのベクトルに沿った形での愛で甲斐がありそう。俗に言うところの「中毒性がある」ということ。

追記1(2017.11.1)

毎週楽しく視聴している巡回リストに鬼灯の冷徹・第弐期、ネト充のススメも追加。

鬼灯の冷徹は、第1話では記憶の中で固着していた作品イメージと合致しない部分がありかなり違和感があったのですが、その後の経過は概ね安定しており一安心。第1期からは一部スタッフィングや制作スタジオが変更されているようなので、演出や作画を筆頭に、この先の不安要素がない訳ではありません。

現在は、我らが種ちゃんの演技も冴え渡る芥子ちゃん回がヘビーローテーションしている辺り。バリトンボイスとのデュエットは是非サントラに収録すべき。種女史はどちらかと言うと七変化タイプの声優だと思うのですが、芥子ちゃんは夏目"ゴルベーザ"あさ子と並んで、彼女の声色の真骨頂の一つに挙げられる初期からの代表キャラですね。

ネト充のススメは、作品の性格的にゲーマーズ!難民救済の側面もあり、肩の力を抜いて楽しめる一本。能登麻美子かわいい。

OP主題歌は、完全復活して久しい中島愛×フジファブリックという組み合わせ。まめぐの"音"はいつも何かを彷彿とさせ郷愁を誘うのだけれど、それが何かは未だ探り当てることができず、特に今回は普段の2割増しでモヤモヤ。

追記2(2017.11.4)

現在、第4〜5話のローテに差し掛かった辺りの少女終末旅行ですが、自分はちょっと勘違いをしていて、これはほのぼの・ゆるふわ系の日常描写というよりは、実はものすごく切なくて悲しいお話なのでは、と。実況コメントなどをONにして視聴していると、当然、この先の原作の展開を仄めかすネタバレコメントなどもある訳ですが、単純に不穏であるとかそういうことではなくて、なんというか、最後まで見た時に心に残るものが明るい気持ちではない気がする。そういう時代、そういう世界に生きる少女たちの日常を切り取った寓話、ということです。

だからこそ、儚いからこそ尊い───といった考え方もあるかもしれませんが、そういう観点で見ると、やはり彼女たちに明るい未来はないのではないかと。チトとユーリが今この瞬間にファインダーに収まった空気と、この先の未来が暗示する対比、そのコントラストが激し過ぎて、心が押し潰されてしまいそうです。ほのぼの詐欺にまんまと騙された!ウツハイヤダー!

追記3(2017.12.12)

一足先に全10話編成のネト充のススメが終了。

実況コメントのお膳立ても概ねブースト側に作用した秀作で、特に中盤以降は毎週のローテが楽しみで、文字通り、今期最もカジュアルに興じられた一本。ネトゲを題材にしながらも良い意味で捻ねた要素はそこまで盛り込まれておらず、了感はトレンディなラブコメの王道を往くような爽やかな後味の佳作。

元々、個人的には年相応・等身大の恋愛ドラマにもさしてネガティブなイメージは持っていないのですが、それにしたって三十路がこんなに可愛く見えるアニメもそうそう無く、"能登かわいいよ能登"を地で行くもりもりちゃんの存在感は異常。全般にキャスティングが大成功しており、正しい適材適所が行われたお手本のような作品でした。

追記4(2017.12.24)

少女終末旅行は∀ガンダムだった......いや、ナウシカか。切ないけれど、これを単純に"鬱"と呼んでしまうのはちょっと違う感じ。当事者でありながらも傍観者であり続ける二人の距離感は、世界や社会、文化に対する原作者の距離感なのかもしれませんね。しかし、こう言っては何ですが、今作はシカコのことを初めて"声優"として認識できた作品だったかもしれない。役者ですな。

一方、満足度では今期最高の一本・宝石の国。3DCGを用いた深夜アニメに感銘を受けたこと、或いはそれ自体にメタ的な感動を覚えた作品で、同時に、題材の良さもあるし、しっかり予算を投入した企画の凄味というものを実感した作品でもあるので、当面の間、物量的にこれと比べられることになってしまう深夜アニメ群はちょっと可哀想かな、とも。

それにしても、今期はふでやすかずゆきの仕事っぷりが一際印象的だったクール。脚本や構成を眺めていると割と何処にでも顔を出しているし、それでいて内容が見合っているのだから、これを豪腕と呼ばずして何と呼ぶ───くらいの勢いで無双していた人物ですね。

追記5(2017.12.31)

大晦日の鬼灯の冷徹・第弐期最終回をもって今期のマラソンも全て終了。

分割2クールだったのには驚きましたが、正直なところ、第弐期はかなり内容が良く、初回で覚えた違和感がどんなものだったか思い出せないほど、もうすっかりこのスタジオのカラーに染まってしまって、信頼感に寄り添うことも吝かではない安心しきりのコンディションで楽しめていたので、続編があるのは素直に嬉しい。

この辺のお話は、恐らく原作でもかなり筆が乗っていた時期の構成なのではないかと推測していますが、毎度のお勉強タイムも、パロディから風刺まで盛りだくさんに頬張りながら説教臭くなく、あくまでも教養ベースなので愉快でしたが、ハイコンテクストな出し物で言えば、第弐期は特にBGM芸が凄かった印象。

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