「Battlefield: Bad Company 2」3月11日発売
Posted by ramhorn05j
PS3今月の一本は、天下のCall of Dutyシリーズと人気を二分するFPSの雄、Battlefieldシリーズの最新作「Battlefield: Bad Company 2」。2010年の本命FPSです。なんだかんだと、BFシリーズのマルチプレイヤーを遊ぶのはBFBC2の体験版が初めてだったのですが、動画評論家をした印象とはまた違って、実際にプレイした感覚は思いの外新鮮。何より純粋に楽しかったので、一躍ウィッシュリスト入りしました。
余談として、今月はSCE Santa Monica Studioのブロックバスター「GOD OF WAR III」も発売を控えていますが、こちらはちょっと別格扱いです。個人的に、3Dアクションゲームというと、やはりデビルメイクライに代表される国産タイトルが好きなので、過剰なゴア表現を含めたゲームデザイン全般がコテコテの洋ゲーの部類に入る(という偏見を持っていた)GOWにはこれまであまり興味がなかったのですが、GOW3については、KILLZONE 2やUNCHARTED 2など、昨今、コンソール最高水準の映像表現を輩出しているSCEタイトルの中にあっても、そのグラフィックといいスケールといい、驚異的にして衝撃的なディテールの数々がちょっとあんまりにも凄そうなので、勢いで予約しちゃいました。吉と出るか凶と出るかは蓋を開けてのお楽しみです。
さて、話は戻ってBFBC2ですが、本作は2008年にPS3 / Xbox360向けに発売されたBFBCの続編。BFというと、多彩な搭乗兵器を使用した多人数でのマルチプレイ対戦が売りのFPSですが、BFBCは、シリーズ初のストーリー重視のシングルプレイヤーキャンペーンモードを備え、コンソール向けにコンパクトな対戦ルールを搭載した、シリーズの新たなスタンダードとなった作品です。
例えば、CoDシリーズに比べると、銃弾のヒット音などダメージ表現の手応えに欠ける本作は、ある意味、歩兵戦としてのディテールは淡白ですが、チームの為に動きチームの為に勝利する、といった特有のゲーム性に独特の快感があります。どちらかと言えば個人競技といった側面の強いCoDシリーズに対して、ビークルを中心とした分隊行動が可能な戦闘システムなど、まさに“チーム力”を競うFPSとしての魅力が確立されており、この辺りはMAG同様、実際にプレイしてみないと分からない面白さがあると思います。
リアルさよりもゲーム性に主眼を置き、スポーツとしての遊び易さを追求しているBFシリーズ。地形的な変化に富んだフィールドと広大な面積を誇るマップ構成は、建物や樹木など、あらゆるオブジェクトの破壊を実現するDestruction 2.0エンジンとも相性が良く、クイックでスピーディな大規模戦闘と、BFシリーズならではの戦場のスケール感が大きな成長を遂げている本作は、“遊びがいのある対戦”という部分においては非常に刺激的な作品です。特に、今作では明確にCoDキラーとしての商品価値をアピールしており、ことマルチプレイヤーに関しては、CoDシリーズを反面教師にしているBFBC2が、新世代のFPS市場でブレイクする可能性は充分にあると思います。
反面、シングルプレイヤーキャンペーンには、正直、あまり期待していません。第一には、シングルFPSとしての重点的な作り込みを喧伝していた前作BFBCのシングルプレイヤーキャンペーンがあまりにもクソゲーだったというのが一つ。もう一点には、これはBFシリーズに限った話ではありませんが、最近は、近代FPSの事実上のスタンダードとして君臨しているMODERN WARFAREの呪縛に囚われ、CoDコンプレックスとでも言うべき五感の病に冒されているFPSが多く、BFBC2にしてもその例外ではないのではないかという懸念が挙げられること。アメリカの危機に瀕して、アラスカを舞台によりシリアスで緊迫した状況が描かれる本作では、前作から一転してドラマティックな演出を標榜していますが、BFBCがCoDシリーズと同じ土俵で勝負することにメリットがあるとは思えません。
2010年02月28日 (日) ▲
MICHAEL JACKSON'S THIS IS IT
Posted by ramhorn05j
*バラク・オバマが大統領となり、マイケル・ジャクソンが死んだ年*
魂の体現者・忌野清志郎、グレイシー柔術の創始者・エリオ・グレイシー、強さと華麗さ、オリジナリティとクレバーさを兼備したトップレスラー・三沢光晴、G7朦朧記者会見による失脚で晩節を棒に振るにはあまりにも惜しかった政治家・中川昭一……訃報を報じられた故人を思い浮かべるだけでも、大原麗子、山城新伍、森繁久弥、そして三遊亭円楽師匠と、この年が如何に諸行無常の節であったか。物語も無く、冷酷なまでに、多くのアイコンを失った2009年にあって、最も衝撃的だったのがマイケル・ジャクソンの死です。
期間限定の劇場公開を経て、Blu-ray&DVDも記録的なヒットを続けている「THIS IS IT」ですが、Amazon.co.jpで即日購入したまま寝かせておいたBlu-ray版をようやく視聴し終えました。
本作は、2009年6月25日に急逝したマイケル・ジャクソンの幻となったコンサート“THIS IS IT”のリハーサル風景を収めた音楽ドキュメンタリー。2009年4月から6月までの時間の流れを追いつつ、2009年夏にロンドンのO2アリーナで開催予定だった“THIS IS IT”の100時間以上にも及ぶリハーサルと舞台裏を捉えた映像から構成されています。
*本番を迎えることの無かった世界最高峰のステージ*
キング・オブ・ポップの自意識を極限まで肥大化させた様な圧倒的なライブパフォーマンスの裏側で、皆が知っていた様で実はよく分かっていなかったマイケル・ジャクソンの素顔。「THIS IS IT」には、彼の本質的な表現者としての魅力がギュッと詰まっています。マイケル・ジャクソンのアーティストとしての存在価値をこれほど的確に伝える映像作品はこれまでに無かったかもしれない───それほど、彼の天賦の才能を凝縮した生涯最高の“プロモーションビデオ”が、死後になってようやく世間にお披露目されるというのは、何とも皮肉なことです。
マイケル・ジャクソンにはあまりにもスキャンダルが多過ぎました。マスコミは稀代のスターを三文記事の役者として扱い、結局、死の間際までネガティブな話題が絶えることは無かった。その内の幾つが真実で、何が捏造されたことなのかは、彼がこの世を去った今となっては誰にも分かりません。しかし、この映像の中のマイケル・ジャクソンは間違いなく世界最高のポップスターであり、この作品には紛れも無いキング・オブ・ポップの真実の姿が映っています。情動とカタルシスの呼び人が、虚空を打ち破るかの如く手を振りかざした瞬間に、彼を取り巻いていた噂の数々がどれほど些細で下らないことだったのかを思い知らされます。
*Black or White*
彼のアーティストとしての素顔は、プロフェッショナルにして妥協を許さない完璧主義者。しかし、気に入らない部分があっても、「怒って言ってるんじゃないんだ、LOVEだよ」とフォローを入れる彼のピュアな少年性は、彼の人間性に惚れ込んだスタッフ達で守られ、決して侵されることがありません。誰もが自身をマイケルのファミリーだと語る様に、彼が思い描く通りのステージを作ろうと全力でサポートするバックステージ全体が、「全てはマイケルの為に」の名の下に集う人間達が作り上げた巨大な無菌室のよう。悪意の入り込む余地のない無垢なる空間で、楽しそうに歌い、踊っているマイケル・ジャクソンは、さながら“ネバーランド”の住人であるに違いなく、スーパースターとしての屈折した運命を授けられ、生涯の“ヘルタースケルター”を宿命付けられた孤高のエンターテイナーが、もはや人種も、性別も、全てを超越してしまった唯一無二のオリジナリティとしてそこに存在しているのです。
病気との闘い、そして、度重なる整形手術と投薬による副作用で、彼の肉体はもう限界だったのではないか───マイケル・ジャクソンは死ぬべくして死んだ───この作品を見るまでは、確かに私もそんな風に考えていました。しかし、それは間違いだった。誰の体がボロボロだったって?とんでもない。脳髄を貫く力強いボーカルも、重力を粉砕するキレのあるダンスも、マイケル・ジャクソンのカリスマはまるで衰えてはいなかった。むしろ、50歳にしてこの状態をキープしていることが奇跡的にさえ思えるほど、やはり、彼は今、ここで死ぬべき人ではなかったのだ。理想を追い求め、美しいものだけを見詰める人生と、それを許さない社会の喧噪。全世界の愛憎の的となり、全世界の平和を歌った“神に最も近い”孤独なスーパースターの最期は、古き良き時代のアメリカンドリームと、80年代以降のポップカルチャーの終焉をも意味する時代の節目だと思います。
思えば、「とんねるずのみなさんのおかげです」におけるパロディ・コントを笑いの種にし、連日加熱して行くゴシップ報道を好奇の目で見ていた私もまた、生前に彼の本当の姿を知ることはありませんでした。最後の最後に、「THIS IS IT」という形で、マイケル・ジャクソンがキング・オブ・ポップとしての足跡を後世に残せたことは、決して幸運では有り得ないが、心ばかりの救いとは言えるかもしれません。
音楽ファンであれば、特典映像を含めて、最高の映像と最高の音響で視聴すべき追悼ドキュメント。とにかく一人でも多くの人間の目に触れて欲しい。Blu-ray版は必見です。
オリジナルストーリー:
http://ameblo.jp/sinobi/entry-10376616588.html
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