2013年07月16日 (火)

ガンブレ|ファーストインプレッション

率直に言っておもろい!クソゲーだけど!味付けは粗いがポテンシャルはある、とてもハクスラと呼んではいけないような大味なバランスの素材掘りゲーだが見所はある。

ガンダムであってガンダムでないもの───ガンプラを素材とすることでの新機軸を提示したガンダムブレイカー。例えば、機体のカスタマイズに特別の説得力を用意する必要もなく、パーツの破壊から収集まで、アクションゲームとしての魅力的なギミックを手に入れることに成功し、また、「銃口を擬似的に分身させて放つミラージュショット」といった無茶な必殺技も許される世界観。それでいて中身はガンダムそのものなのだから、言わば何でも有りな境地に達した、それでいて、人によってはPlayStation黎明期から夢見ていた題材が実現した憧れのガンプラ・シミュレーションでありましょう。第二、第三の続編へと進化を続けて欲しいガンダムアクションゲームの佳作です。

Image:ガンダムブレイカー

「ファンタシースターオンラインと無双を足して2で割ったようなゲーム」とは言い得て妙ですが、本作は基本的にはキャラゲーでありアクションゲーなので、自分で動かし、操作することに楽しさがあります。操作系は、記憶の中の戦記とVSシリーズを折衷したようなもので、多少忙しいですがさほど違和感なく馴染むでしょう。挙動については、ロボゲー最右翼のアーマード・コアが自由度の高いマニュアル操作だとすれば、ガンダムブレイカーは直線的なセミオートマチックと言ったところですが、これはこれで爽快で、個人的には結構好きです。アクション性は従来のガンダムゲーの範疇から逸脱することはありませんが、ステップ回避やEX-ACTIONSの無敵時間を多用したテンポの良い立ち回りはちょっとしたモンスターハンターのようでもあります。

で、ゲームとしては素材掘りゲーですから、基本的にはマラソンをすることになるのですが、これが意外と飽きず、大体5区間前後に区分けされたセクションをサクサクと行軍しランナーを掘り掘りする作業が妙にハマる、癖になる感覚は、それこそファンタシースターオンラインか。

ただ、その辺りの匙加減は非常に微妙で、とにかくドロップが渋く、物欲センサーが優秀。ラックブースターという課金アイテムがあるのでよりガチャに近しい性格となっていますが、リアルマネーの力を用いてもそうそう目当てのレア素材はドロップしないので、どんだけエグイ確率に設定しているんだ、という話です(100回潜って出れば良い方。所詮リアルラックです)。

故に、夢中で先へ先へと進んできた分、一度、物欲センサーという現実に壁にぶち当たってしまうと、もう何もかもが嫌になってしまう......ということも有り得るのがこのゲーム。挫けそうな時、負けそうな時、一番大事なのは「諦めること」。MO、MMOでもないのにここまでドロップを絞る理由は分かりませんしクソの所業としか思えませんが、モンハンやPSUの物欲センサーをかいくぐってきた私でさえ、ガンダムブレイカーの修造にはお手上げでした。実際、数値的には大して差はないのでしょうが、それがガンダムブレイカーで問題になるのは完全なMOとして設計されている訳ではないというゲームデザインの違いにもよるのでしょうね。

他にも、まあとにかく色々粗いです。カスタマイズ画面でのやる気のない棒立ちも何とかして欲しかったですが、バトルに関しては、ごく序盤のHGフェーズから敵は積極的に攻めてきますし、後半のMGフェーズの猛攻は開発陣の悪意を感じるほど激しいので、結局、互いにゴリ押し万歳となり、戦闘はとにかく雑になりがち。僚機のAIはポンコツでデコイにすらならないので、自機が撃墜されると即ミッション失敗となるEXフェーズ2以降はマルチプレイヤーが推奨されますが、ジャマーや敵の組み合わせも嫌らしく、雑魚のEX-ACTSですら直撃すれば蒸発するので、格段に事故りやすくなっています。何より、雑魚戦では同期しないのでそこかしこで好き勝手に暴れるしかないし、同期するボスが相手なら相手で4人も群がっちゃうと訳が分からないしで、結局、わちゃわちゃしちゃって何が何やら......仲間を仲間として認識して楽しむには、やはりこのバトルフィールドには2〜3人PTのスケール感がベストでしょうなぁ。

しかし、地味に最も不満なのは拡張性の無さかもしれない(※)。とにかくドロップが偏っているので、潤沢なイベントミッションの配布などがあっても良かったはずですが、そういった演出が用意されている気配はなく。また、意外とMSの種類が少なく、バリエーションが限られていること。こういったゲームこそDLCを有効に活用すべきで、有料だろうが何だろうが新たに追加配信できるものはどんどんすべきだと思うのですが、これはバトライド・ウォーなどにも言えることですが、とにかく日本の大企業は初動からロードマップの提示、適切な情報開示まで、何から何まで動きが遅い。ユーザーの望むべき拡張であるならば本来はWin-Winの関係であるはずなのに、タイミングを逃しては叩かれるというテンプレ進行に勇んで歩み寄る様はまさに誰得。


※先日、アップデートの発表がありました。


と言いつつも、寝食を忘れてハマったゲームは久々です。プラチナ・トロフィーまで、あとはレア掘りを残すのみという段階でのプレイ時間表記は100時間ほどですが、その時々でどう感じていたかは別として、振り返ってみればつまらないと回顧できる場面はほとんどありませんでした。クソゲーだけど妙にハマる、まさにPSUのガンダム版ですね。

追伸

ちなみに、近年はPS3でもフルプライスゲーのダウンロード販売が活発で、最近はDL版が用意されているゲームについては順次そちらに切り替えています。やっぱりねぇ、ディスクを入れ替える必要がなく、HDDをライブラリ化できること、即ちインストールされているゲームを適宜選んでワンタッチ起動───という便利さ、手軽さには代えられない訳ですよ。副次的に、ディスクメディアの読み込みという物理的、機械的なボトルネックが省かれることで、例えばロードが高速化されるとか、動作音がなくなるといったメリットもありますしね。ストレスフリーな訳です(まあ尤も、中には起動時のインフォメーションやロゴ表示がスキップできずに余分に待たされるゲームや、ディスク版からセーブデータが引き継げないタイトルなどもありますが)。元々、中古は買わない、ソフトも現役世代のものはまず売らない、という人間なので、売却が不可能であることについては問題にはならないですし。

なので、便宜上、当ブログとしては主要なアフィリエイトリンクを貼付してはいますが、ガンダムブレイカーは勿論、それ以外も含めて、PSストアでDL版が販売されているものについてはそちらをオススメします。

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