2006年09月18日 (月)

Apple、iTunes 7 公開

Appleは、オーディオプレーヤーソフト「iTunes」の最新版「iTunes 7」の提供を開始しています。

米Apple、UIを大幅改良したiTunes 7を公開

「iTunes 7」では、音楽を再生しながらアルバムジャケットなどアートワークを大きく表示する「Cover Flow」機能を搭載。ユーザーインターフェイスが改良され、アピアランスやコントロール・レイアウトが変更されました。また、Walt DisneyやPixar、Touchstone Pictures、Miramaxなどの75以上の映画のダウンロードサービスや(北米限定)、ゲームコンテンツの配信も開始しています。その他の主な新機能は以下の通り。

・ギャップレス再生に対応
・ライブラリのバックアップ機能を追加
・提供動画解像度を320x240ドットから640x480ドットへ変更
・iPodの更新がiTunesから実行可能に

Image:iTunes 7

UIに関しては、ボタン位置の変更、ビジュアライザ・イコライザボタンがオミットされたことで、多少戸惑う場面もありますが、まあこれは慣れの問題でしょう。映画コンテンツは640×480ドットの解像度で提供され、Apple曰く「DVDに極めて近い画質」としていますが、昨今の映像コンテンツはワイド画面が主流ですから、DVDと同様に横は720ドットにしても良かった気がします。

一方、個人的な目玉は何といっても「Cover Flow」。いかにもApple的なこの機能は、見た目が華やかなだけでなく、実際にジャケットをパラパラとめくっている感覚で聴きたいアルバムを選ぶことが出来ます。マウスホイールでのスクロールも可能で、大変楽しい機能です。「iTunes Store」で入手可能なアルバムに関しては、過去にCDからリッピングしたものであっても、アートワークを自動的に入手できるなど、気の利いた配慮が嬉しいポイント。この機能の搭載によって、アートワークの入手・設定を敬遠する理由がなくなってしまいました。

ちなみに、未だにCD派の私は、お気に入りの音楽は高音質で、また、データとしてではなく、物理的にディスクを所持していたいという理由があるので、実は「iTunes Store」での楽曲購入経験がありません。ミュージックライブラリには、レンタルCDからリッピングした楽曲(「CDを買う」ところまでは行かない程度の音楽データ)が100曲ばかりあるだけで、実際のところ、利用頻度はあまり高くないのが現状です。しかし、ここまで本格的に熟れてくると、CDライブラリの幾つかを本格的に移行させようか、という気にもなってきますね。

さて、Apple的にはこちらの方が目玉であろう映画配信は、Walt Disney Pictures、Pixer、Touchstone Pictures、Miramax Filmsの4社が提供するタイトルに限られ、実質的にDiseny専門ストアとなっています。映画スタジオとの交渉が難航しているとの噂通り、先日発表されたばかりの「Amazon Unbox」などと比べても、コンテンツの充実度は雲泥の差と言えます。しかし、既に普及しているプラットホーム上で、気軽に映画なりPVなりが視聴出来るというのは大きな利点ですし、実際、それなりに利用されることでしょう。ある程度の実績が築ければ、TV番組の有料配信がそうであった様に、コンテンツの規模を拡大することは容易で、その部分をAppleは確信、或いは楽観視しているのだと思います。ただ、日本はといえば、複雑怪奇な権利関係が足を引っ張り、微妙な部分が多いですから、映画&TVなどの映像関係の展開は大きく出遅れそうです。暫くは「蚊帳の外」で我慢する状態が続き、「iTunes + iTV」の魅力も半減することでしょう。

なお、今回の映画配信の開始を機に、「iTunes Music Store」の名称が「iTunes Store」へと変更されています。北米では、TV番組やPIXERの短編映画なども初期の頃から配信されており、音楽に限らず様々なコンテンツが提供されていた「iTunes Music Store」ですが、このタイミングでの改称は、少なからず「映画」というメディアを意識したものだと言われています。「iTMS」の表記にすっかり馴染んでしまった身としては、慣れるまでが違和感だ。

News Release:
アップル、驚きの新機能を加え、iTunes 7を発表

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