2006年04月02日 (日)

TBS「交響詩篇エウレカセブン」最終回

最終回1時間スペシャルの為、「轟轟戦隊ボウケンジャー」にはお休みして頂きました。

EPISODE NO.49「シャウト・トゥ・ザ・トップ!」
EPISODE NO.50「星に願いを」

伏線を回収しつつ、物語は収束へ。レントンが、エウレカが、ドミニクが、アネモネが、そしてホランド率いるゲッコーステイトのメンバーも、ユルゲンス率いる反乱軍のメンバーも、全てが皆、愛に満ち溢れていた最終回でした。旅に出た少年が成長して戻ってくる……そんなセオリーとは若干異なる捻った展開でしたが、「機動武闘伝Gガンダム」の石破ラブラブ天驚拳をも彷彿とさせる、ある意味で“らしい”幕引き。一時は「死亡フラグ立ちまくり」だったホランドも存命し、誰もが無下に命を落とさずに済んだのがとにかく有り難かった。聖母の如き美しきニルヴァーシュの覚醒に導かれた大団円と言えるでしょう。

ボーイミーツガールから、世界の成り立ちにまで迫る壮大な物語へ───結局、「交響詩篇エウレカセブン」とはファンタジーだったんです。「自らロボットアニメであることを放棄した作品」と嘯かれ、野蛮に退屈に陰鬱と日常を重ねる描写の連続に、打ち切りの噂さえ流れたあの頃が懐かしい。長い長い助走期間とクライマックスの落差が激しく、忍耐を要求されることさえしばしばであった本作。4クール1年という長丁場は、あまりにも冗長であったとさえ思えます。しかし、それだけの期間を費やしてこそ描ける王道が、このアニメには少なからずありました。「ねだるな、勝ち取れ、さすれば与えられん」……今にして思えば、もどかしくすらあった設定の積み重ねは、スタッフの誰もが真摯に作品と向き合い、時に青臭く、真面目にテーマを描き切ろうとした結果であると感じます。

とにかく、この最終回の為に全てが在った「交響詩篇エウレカセブン」。物語の大きな流れというものが比較的しっかりとしており、入念な構成に基づいて物語を進めていたので、整合性の破綻は少なかった本作。その分、瞬発的な面白さに欠け、退屈な回は退屈であったのが特徴的です。一言で表せば「惜しい作品」であり、固有のシンボルイメージというのは掴み難かったものの、最後の最後に誰もが報われ、救われた、幸せなアニメでありました。

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