2006年07月16日 (日)

サッカー日本代表MF中田英寿選手が現役引退

サッカー日本代表MF中田英寿選手(29)が7月3日、自身のホームページで声明文を公開し、現役引退を表明しました。95年3月のプロデビューから12年目にして電撃的な引退発表です。引退試合の予定はなく、所属事務所によれば、今後サッカーに関係した仕事には携わらないとのこと。タレント生活からも完全に身を引き、しばらくは静養に専念するとしています。

中田英寿といえば、3回のW杯で活躍した日本の大黒柱。独特の発想をもって語られるコメントは「中田節」とも呼ばれ、チームを鼓舞する傍ら、時に批判的な発言を繰り返し、憎まれ役をも買ってきました。そのプロとしての意識の高さ故に、先の日本代表では孤立していた感すらあります。

所属のクラブでは、最盛期に比べ、近年めぼしい成績を残せていなかった中田選手ですが、片や2006ドイツW杯では、限界を囁かれるフランス代表のジダン選手が、34歳にしてMVPを獲得する活躍を見せました。それを考えれば、他の日本人選手を圧倒するだけの知識・経験・ポテンシャルを持つ彼をして、4年後のW杯でも十二分な活躍が期待できたはず。それだけに現役引退は大変惜しい決断です。これからの日本代表サッカーにとっても大きな損失になることは間違いありません。

解説者や指導者への転身もないというそこには「孤高」と評された彼なりの美学があるのでしょうが、日出ずる国の太陽とも形容された“NAKATA”の時代が終わったことで、日本サッカー界は一つの節目を迎えます。

先人の言葉を借りれば、中田選手は、スポーツ選手なら誰もが望む姿で引退します。まずは「お疲れ様でした」の労いを贈ると共に、あの笑いの種にしかなり得なかった奇抜なファッションが見られなくなることに寂しさも感じます。ビジネス界への進出が有力視されていますが、近しい人間から「気さくでユーモアに富み、とてもクレバーである」と太鼓判を押される彼ならば、きっと成果を上げるられるでしょう。心からエールを送りたいと思います。

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