2006年09月14日 (木)

Apple、新しい「iPod」シリーズを発表

Appleは現地時間12日、米サンフランシスコはYerba Buena美術館で開催されたスペシャルイベントにおいて、新しい「iPod」シリーズを発表しました。「iPod」と「iPod nano」は即日販売が開始されています。

<iPod>
価格の引き下げと、ハイエンドモデルの容量拡大。
上位機種に80GBモデルを追加。
60%明るくなった液晶ディスプレイ。
ギャップレス再生など新機能を追加。
新デザインのイヤホンが付属。
バッテリー駆動時間は、音楽再生時は30GBで14時間、80GBで20時間。ビデオ再生時は30GBで3.5時間、80GBでは5.5時間。

<iPod nano>
従来よりも薄いアルミニウム外装の筐体。
ブルー、ピンク、フリーン、シルバー、ブラックの5色展開。
メモリー容量は 2GB / 4GB / 8GB へ倍増。
40%明るくなった液晶ディスプレイ。
ギャップレス再生など新機能を追加。
バッテリー駆動時間は最大で約24時間。

<iPod shuffle>
世界最小15g、52%小さくなったクリップ一体式の本体。
外装はアルミニウムを採用。
メモリー容量は1GB、バッテリー駆動時間は12時間。

Image:iPod nano

噂されていた「iPod」のモデルチェンジも「iPhone」の発表もなく、イノベーションという意味では物足りなさが残ったものの、いつも通り物欲を刺激するラインナップが揃いました。今回は珍しくファミリー全機種を刷新したAppleですが、中でも、指先でつまめるサイズにまで小型・軽量化されてしまった「iPod shuffle」にはビックリ。そのデザインとスタイルは素晴らしく魅力的で、中途半端さが一寸チープにも感じられた先代から、まあ随分と進化した印象です。スポーツシーンでも活躍する「iPod shuffle」には、例えばこのままプールでも使用出来る様に、防水加工なんかが施されてしまうと面白いかもしれない。ラフに楽しめる方向性をそのまま突き詰めて貰いたい、などと更に期待する私。

Photo:iPod ファミリー

外装が一新された「iPod nano」は、5色のカラーバリエーション、丸みを帯びたアルミニウムボディと、まるで「iPod mini」を小型化した様なイメージで登場。高級感はそのままに、より親しみ易さが増した印象です。差別化という意味では成功しているものの、一方で、個人的には先代のシックなデザインも捨て難かったので、ちょっと勿体無かった気もします。とはいえ、販売が鈍化していた「iPod shuffle」の大胆なモデルチェンジと、最も売れている「iPod nano」のアップグレードによって、ラインナップはより強固なものになったと言えそうです。

なお、同イベントでは、UIを大幅改良し、新たに「Cover Flow」機能を搭載した「iTunes 7」と、iTunesの各種コンテンツをTVで視聴する為のハードウェアユニット「iTV(仮)」の発表も併せて行われました。「私たちのビジョンをより理解してもらうため」と前置きした上でプレビューされた「iTV(仮)」などは、将来の製品プランに触れるという点で、Appleとしては極めて異例の発表であり、例えば、“参加を渋る映画会社へのデモンストレーション”であったりもするのでしょう。そこには様々な事情が見て取れますが、しかしそれよりも、今回のイベントから感じられたのは、いい意味での同社の余裕です。まさか本気で家電メーカーへの転身を画策しているなんてことはないでしょうが、「iPod + iTunes」によるエコシステムの確立によって、良い循環が得られていることだけは間違いありません。

News Release:
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