2009年06月17日 (水)

Apple、Snow Leopardを9月発売へ

さて、WWDC 09キーノートでは、Mac OS Xの次期主力バージョンである「Mac OS X v10.6 Snow Leopard」が初めて一般公開されました。発売は2009年9月を予定しており、価格は129ドル。現行のLeopardユーザーには29ドルでアップグレード版が提供されます。

Image:Mac OS X v10.6 Snow Leopard

既に多くの情報がリークしていたSnow Leopardですが、今回のWWDCでは、システム全体に及ぶ技術として、マルチコアプロセッサでのスレッド動作を最適化する最新のテクノロジ支援Grand Central Dispatchの搭載と、GPUの並列処理性能を映像以外のタスク、一般的な計算処理にも活用する標準規格OpneCLの採用、及び、主要システムアプリの64bit化が強調されていました。

Snow Leopardでは、Cocoaで新規に書き直されたFinderを始め、内蔵アプリケーションの64bit化によりパフォーマンスが向上しています。また、Dockに組み込まれたExposeやStacksの改善、PDFの文書レイアウトを分析し、文書構造の正確なコピーを可能とすることでよりパワフルなビューワーに生まれ変わったプレビュー、Nitroエンジンを搭載するSafari 4の高速化とマルチプロセスによる安定化、編集機能が追加されインターフェイスが一新されたQuickTime Xにおける全般的なビルドアップなど、アーキテクチャの前進を支える形で内部設計が改良され、Mac OS Xにおけるプロジェクト全体のおよそ90%が刷新されています。更に、Microsoft Exchange Server 2007に標準対応しており、企業ユースにも訴求する内容となっています。

今回のSnow Leopardは、メジャーアップデートを謳ってこそいるものの、その中身はといえば現行バージョンであるLeopardのブラッシュアップが中心で、システムの高速化を主な課題として、内部的な機能強化など一見して地味な変更点が多いのが特徴です。開発アプローチとしては足回りの拡充が最重要事項に掲げられているので、それだけ技術者にとっては堪らないアップデートとなりますが、エンドユーザーが体感出来る部分としては、64bit化とマルチスレッド対応が高速化に大きく貢献しており、特に、これまで後回しになっていたマルチスレッド化の作業を消化出来たことが、この先、メニィコア時代のアプリケーション操作において成果を上げて来ることは間違いありません。また、ほぼ完全な64bit化を果たしたSnow Leopardですが、ここでもUniversal binaryのコンパイルによって32bitと64bitのパッケージを単一のシステムの元に柔軟に運用することが出来るので、ビット数の違い、互換性問題をユーザーに意識させることなく、64bitへのスムーズな移行を促進させることが可能となっています。

これまでAppleは、先進的な設計思想を持ったNeXTSTEPをベースに、あくまでも可及的な適正範囲内においてパフォーマンスチューンと機能の実装を重ねることで、Mac OS Xという一つのプラットフォームをひたすらに磨き上げて来ました。しかし、Snow Leopardでは、次世代のハードウェア、ソフトウェア、そして、ネットワークサービス時代のアプリケーション環境に対応して行く為に、初めてOSの基礎部分に手を入れようとしています。新しい時代のソリューションに適応する為に、ここで一旦足下を見直し、将来に備える為の地均しを行なおうというSnow Leopardについて、Appleは兼ねてから厳密に表には見えない部分での改善に集中して、ユーザーインターフェイスの改良や追加機能に関しては控えめなアップデートになることを強調して来ました。乱暴に言ってしまえば、エンドユーザーから見た変化は少ないが、OSの基盤部分には大きな変更が入る、中身の洗練に重きを置いたリリースという訳です。

それだけに、GCDやOpenCLなど、Snow Leopardに搭載されるテクノロジの一部はまだこれからの技術です。これらの効果をエンドユーザーが実感出来る様になるまでには、しばらく時間が掛かるでしょう。しかし、Snow Leopardの本質がプラットフォームの進化であるならば、Apple史上最大のベストセラーであるLeopardをブラッシュアップしながら、同時に今後のコンピュータアーキテクチャへの移行を着実に浸透させていく……という過程は、これまでのどのMac OS Xよりも戦略的で、非常に前向きなアップデートです。

特筆すべき事項としては、Macでは恐らく初めてのケースだと思われる既存ユーザーへのアップグレード版が用意されており、Snow Leopardの特性を踏まえた上での配慮が伺えるのもポイントです。その代わり、今回から正式にIntel Macのみをサポートし、Power PCには対応しません。Intel Macへの切り替えには良い契機だと思いますが、発売時期がまだしばらく先であること、また、安価なアップグレード版が用意されていることを考えると、新しいMacが買えるのであれば、プリインストールモデルを待たずとも特に問題はないのではないでしょうか。ユニボディ以降のMacは、基本的に全てSnow Leopard以降の技術を見据えた作りになっているので、世代的にはどのタイミングで購入しても不都合はありません。小刻みなアップデートで最先端を走っているMacBook Proを筆頭に、その為の器は揃っています。

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