2013年11月21日 (木)

Now Playing|Counting Down the Days

前回、前々回に引き続き、資源の有効活用と言うことで、本記事はローカルに保存してある過去ログの草稿を流用した、君を再発見☆再発掘系エントリです。オリジナル投稿は2005年4月20日、午後3時24分()

意外と超絶美人であることが知られていないNatalie Imbrugliaの3rdアルバム「Counting Down the Days」。

Natalie Imbrugliaは前二作、特に2nd「White Lilies Island」がお気に入りで、在りし日のbeat UKの風土を感じさせる、荒削りながらもエモーショナルなロックサウンドを聴かせてくれる愛聴盤なのですが、世間では専ら"Torn"の一発屋扱いなのが寂しい。個人的には、その"Torn"を含めた1st「Left Of The Middle」にはさして思い入れはありませんで、当時の購入動機もただ単に「流行っていたから」という不純なもの。

それがどういう訳か巡り巡ってこうなっているので、それほど「White Lilies Island」にはフィーリングが合ったということなのでしょう。まとまりや深みがあるといった指向性ではなく、重ねてソリッドで荒々しく、ザックリとした味わいを持つが故のある種のマイナー感は、しかし、概してマスターピースとされるアルバムに固有の「特別感」がある佳作であり、その由縁から、今作は事前の情報も全く無い状態で、ほのかな期待を寄せていました。

前置きが長くなりましたが、要するに今作は普通です。上記のそれに比べると、純ポップス然とした、キラキラとした華やかしい新しい風(むしろ回帰か)も取り入れつつ、全体的に小綺麗にまとまってはいるものの、地味というか、至って普通。それこそ、初夏の麗らかな日差しの元で、何の変哲もない美しいメロディが、アコースティックに乗せて音色を奏でている、といった風情。刺々しさがなく、穏やかで人当たりの良い均整の取れたサウンドは、ある一定の方向に向かい、統一感をもってパッケージングされていますが、それを完成度が高いと呼んでいいものか、私には分かりません。まろやかでのどごしの良い作品なので、作業用BGMにはいいかもしれませんけどね。

期待外れと言えば期待外れですが、何というか、決して扱き下ろすほど駄目な作品ではないし、かといって特別褒められる点もなく、上手い表現が見付からない一枚です。相変わらず、爽やかなハスキーボイスには濁りが無いので、せめて音響に何かもう一工夫、もう半歩突き抜けるものがあれば、という一寸惜しい作品ではあると思います。レビュー評価するとすれば☆☆☆☆★は堅いので、それだけ今作に対する要求水準、ハードルが上がっていた証左でもありましょう。

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