2014年02月10日 (月)

AudioQuest OptiLink Cinnamon

引き続き、新たにMac mini用に取り揃えたアクセサリを幾つかレコメンド(後編)。

光デジタルケーブル 3.0m

従来、Mac⇔AVアンプとは光デジタルで接続していることは既述の通りですが、ケーブルにはソニーのPOC-30ABを使用しており、これがラベリングとして"Hi-Fi"を謳ってはいるものの、オーディオグレードとしては若干物足りないというか、頼りない訳ですね(手頃な割にはいいケーブルだと思いますが)。で、これがいよいよMac miniへの移行を見据えようかという時期に、丁度ディスコンとなってしまったので、左様をいい契機だと捉え、ちょっとした高級品にアップグレードしてみることにしました。

AudioQuestのOptiLink Cinnamonは、全4種類をラインナップする「Toslink Fiber Optic/ファイバー・オプティック Audio Cables」内の下から2番目の製品なのですが、3.0mものケーブル長となると基本的に取り扱い店舗が少なく、納期にも非常に時間が掛かる為(約1ヶ月強)、今回はAmazon.co.jpではなく、こういう時の心強い味方、オーディオサプライの品揃えも豊富なJoshinにお世話になりました。

パッケージには、低分散・高純度の、ジッタを低減する高分子繊維と、精密に完成された光インターフェース、真鍮の口金が謳われていますが、見た目に反してケーブル部は柔らかくしなやかで非常に扱いやすいです。

Image:AudioQuest Cinnamon Optilink

さて、一般論として「HDMIや光デジタルではケーブルで音は変わらない」と主張する声もあると思いますが、個別案件の前提として、まず、拙環境は電源が弱く、非常にノイジーであること、また、接続距離が3.0mと長いこと、そして、スピーカーよりも音の変化をダイレクトに、より敏感に感じ取りやすいヘッドホンを使用していることなどが挙げられます。

この辺りのトピックに関しては、個人的には、その音が"良い"か"悪い"かという音質の如何は別として、デジタル信号と言えども、ケーブルの作りによって、例えば、"暗い""明るい""重い""軽い"といった具合に、音の傾向、性格自体は驚くほど変わるものだと考えています(程度問題です。これを必ずしも「音が良くなった/悪くなった」と強弁してしまうと、確かにオカルトの側面もあるかなとは思いますが)。スピーカーにしろヘッドホンにしろ、最終的な出力がアナログである以上、どこかで必ずD/A変換はされている訳で、アナログ回路の相互影響性をそう簡単に分離・排除することは出来ません。そういった影響が回り回って、積もり積もった結果として、最終段階でどのような差になるのか、という話なんだと思います。

そういう意味では、"確変"と呼んだMacBook Pro→Mac miniほどの劇的な変化には当然のことながら及ぶべくもなく、そこまでの派手な見込みを立てようはずもないので(恐らく変化の度合いとしては前編のインシュレータの方が大きい)、テーマとしては「より確度の高く、焦点の定まった、揺らぎの少ない安定的な再生環境を志向する」という点での概ね期待通りの費用対効果といったところですが、オーディオグレードとしてはまずまずの、上々の品質ではないでしょうか。

そんな現在の環境を一言で表現するとすれば、「キラキラしている」という小並感。糞音源も押し並べてマッシブに駆動するのに聴き疲れはしないというマジック。というのも、インシュレータによって音の押し出しは強くなったのですが、音像そのものは若干マイルドというか、低音に深度がある分、薄ぼやけている感がありました。それがまさに焦点が定まったというか、キリッとした、解像感のある音色に回帰しましたね。その分、やや高音寄りの重心で低音は控え目ですが、主張するところは主張し、引っ込むところは引っ込む、適度な奥行きと抜けのいい響きでHi-Fi感のある非常に好ましいバランスです。

これより上のランクになると一気に価格が跳ね上がってしまうので、廉価機器を用いたコンシューマ用途ということもあり、バランス的にはCinnamonが一番いいのではないかなぁと思っております。

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