2015年06月16日 (火)

Now Playing|NIRGILIS / BOY

TVアニメ「交響詩篇エウレカセブン」のOPテーマに起用されスマッシュヒットを記録した「sakura」を収録するアルバム「BOY」。恐らくニルギリスの中では最も知名度のある作品です。2006年のリリースなので、およそ10年前のアルバムだと思うとちょっと信じられない気分ですね。

Image:NIRGILIS / BOY

"刹那的"とも評される、伸びやかで癖のあるボーカルと、浮遊感、透明感、爽快感と三拍子揃ったミクスチャーサウンドが相まって、中毒性の高い音楽を繰り広げている本作。想像力溢れる意欲的なスタイルを追求してきたニルギリスですが、このアルバムでは売れ線への意識を明確にすることでマイナー感からの脱却が図られており、よりポップで完成度の高い仕上がりになっています。

一時期はAV機器のベンチマークにも使っていたことがあるお気に入りの一枚ですが、例えば、高音部にビビリが入っているような箇所もあるので、これをオーディオ的に「音質が良い」と括っていいものかどうかは分かりませんが、今現在の環境で聴くとかつての印象よりも一回り音場が広く、音のメリハリが立体的でとにかく気持ちがいい。適度なリバーブによる有機的なミックスが解放感を演出していて、抜けがいいというだけでも、それは音圧団子上等な最近のアニソンやJ-POPではあまりお目に掛かれないタイプのマスタリングが施されているので新鮮です。ちなみに、この頃のニルギリスはギターのリフやパーカッションなどが効いていて、最後期に比べるとよりバンドサウンドっぽい生っぽさが取り入れられているのが特徴でしょうか?

Wikipediaによると人員の出入りが非常に多かったバンドで、2007年には結成当時のオリジナルメンバーが消滅しています。ニルギリス自身が「音の"遊び場"」と称するように様々なアーティストとのコラボを重ね、そのサウンドボックス上に色鮮やかなデジタルと心象風景を展開してきた彼ら、彼女らですが、2014年を最後に「全員脱退(解散)」が発表されたとのことで、残念でなりません。

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