2006年07月17日 (月)

2006F1世界選手権、第11戦フランスGP決勝

F1シーズンも後半戦に突入、舞台は再びヨーロッパへ。「グランプリ」と呼ばれた最初の自動車レースがルマン近郊で開催されたのは1906年のこと。歴史と伝統に彩られた「グランプリ」100周年記念となるフランスGPは、ヌベールのマニクール・サーキットから。ルノー、ミシュラン、そしてSAF1モンタニーの母国グランプリです。

チャンピオンシップをリードするルノーのお膝元でフロントローを独占したフェラーリ。2戦連続でポールポジションを獲得したM.シューマッハが好調です。チームメイトのマッサは終盤でアロンソに逆転され、セカンドドライバーとしての命題を果たすことは出来ませんでしたが、下位を圧倒的に突き放したM.シューマッハは完全復活を果たしたと言っていいでしょう。引退を懸けている“落日の皇帝”とは思えないしぶとさで、チャンピオンシップ争いが俄然面白くなってきました。一つには、ブリヂストンがアメリカGPに続いて持ち込んだタイヤが非常に優れており、その恩恵に預かっている部分が大きいと言われていますが、一足先にF1通算100勝目を挙げたミシュランは今季限りでの撤退が決まっているだけに、ブリヂストンにとっても正念場の戦いが続きます。

一方で、チームの改革に着手しているというホンダは、Bスペックを投入し勢いを増してきたトヨタとは対照的。トップ4にも数えられた速さはすっかりナリを潜め、不調に喘いでいます。全体的なスピードと信頼性が問題だと語るバトン、今シーズンの目標としていた“第3期初優勝”が夢と遠のく結果です。

また、フランスGPを前にシーズン途中でのF1引退というショッキングなニュースが駆け巡ったモントーヤ。マクラーレンとの契約は解除されていない為、現時点でF1以外のレースに参加することはないとのことですが、代役としてレースドライバーに抜擢されたのはテストドライバーのデ・ラ・ロサでした。彼にとっては千載一遇のチャンスだっただけに、見せ場を作りながらも手堅く仕事を果たしていますが、やっぱり最後にはモントーヤに戻ってきて欲しいというのが正直な気持ち。パッとしない成績やチームとの不協和音など、彼を取り巻く環境には幾つかの問題が横たわっていましたが、“コロンビアの暴れん坊”として鳴らしたモントーヤのF1キャリアがこれで終わってしまうだなんて、あまりにも寂し過ぎます。

さて、今季初めて琢磨を上回る予選グリッドを獲得したSAF1モンタニー。レギュラードライバーとして走る最後のグランプリであると同時に、何より本人が切望していた母国レースだけに、気合いが入っていました。「SA05」の集大成を見せるべく、力強い走りで16位チェッカー、見事に完走を果たしています。琢磨はクラッチトラブルで1周を終えることなくリタイア。「SA05」でのラストランを完走で飾ることは出来ませんでした。

いよいよ次戦はドイツGP、SAF1に待望の新車「SA06」が投入されます。ライバルチームであるミッドランド、トロロッソを上回る戦闘力が期待されるマシンですが、琢磨のドライビングによっては、中盤の順位も狙えそうなだけに、非常に楽しみですね。

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