2007年02月17日 (土)

本日のお届けもの:ゼーガペイン O.S.T.2 ほか

今回の物品は「Amazon.co.jp アソシエイト」の紹介料で購入させて頂きました。ありがとうございます。

Amazon.co.jp:HCM Pro 33-00 νガンダム

HCM-Pro 11-00 フォースインパルスガンダム

HCM-Pro 33-00 νガンダム

お気に入りのMSとして、個人的にも相当な期待を寄せていた「νガンダム」は、しかし、逆シャアシリーズの中でも最も微妙な出来の商品となってしまったようです。

多少ピーキーなスタイルなので好き嫌いは別れそうですが、アレンジの方向性は悪くありません。怒り肩気味ではあるものの、プロポーション、造形、可動等々、各要素のバランスも概ね良好。が、どういう訳かこれが全体として捉えると、先の「サザビー」で感じられた様なスケール感も重量感も密度感も皆無で、個別に見ればこれだけのディテールと情報量を有しながら、完成度では「サザビー」や「ヤクト・ドーガ」に比べて見劣りしてしまう印象です。

一見して、作り込まれていない、とさえ感じさせてしまうこの安っぽさの原因は、妥協が見え隠れするパーツラインの分割と、それに引きずられた形の塗装にあるのでしょうか。特に、HCM-Proの一連のパネルラインとライン塗装に好意的な私でさえ、チグハグな印象を与えるだけのラインパターンは意味不明で、また、塗装そのものも全般に極めて粗い。この2点が改善されるだけでも、のっぺりとした印象は薄れ、全体的な絵面がずっと引き締まって見えた筈です。

一方、顔が命のMSにあって、今回、“目”がクリア成型から塗装表現に変更されており、パーツはマスクとの一体成型となっている為、少なからず視覚的にも影響を与えています。ただ、“目”が塗りで再現されることに関しては一家言あるものの、ピンポイントの塗装精度が高く、思ったより悪くはない印象です。

これまで、個人的には「HCM-Proはスケールモデルである」という意見に加担してきました。パッと見で発色が悪くても、顔を覗いた時に、それがクリアパーツで成型されていることに価値がある───そんな見地から考えれば、“目”が塗装で再現されることに対しては、モデルカーのヘッドライトが、クリアパーツでなく塗りで表現されているのと同じ不粋さを感じてしまいます。尤も、ジオン系MSのモノアイは当初から塗装されている為、整合性を図った結果であるとも言えるでしょう。フォーマットが統一されたとして、歓迎する声が聞かれるのもまた当然の結果なので、ジム系のゴーグルまでもが塗装に変更されない限りは、嗜好の問題として割り切っておくべき事柄なのだと思います。

ともあれ、じっくり眺めていても、何が良くて何が悪いのか、ちょっと訳が分からない素体です。優秀なモデルばかりが揃った逆シャアシリーズの中では一寸浮いていて、集大成の期待を背負ったMSが、真打ちどころか、こんな立ち位置のぼやけた商品となってしまったことに、少々落胆しています。

Amazon.co.jp:HCM Pro 34-00 ギラ・ドーガ

HCM-Pro 34-00 ギラ・ドーガ

HCM-Pro 35-00 ギラ・ドーガ(レズン・シュナイダー専用機)

それに対して、HCM-Proらしい大胆なアレンジが施された「ギラ・ドーガ」は、曲線主体のマッチョなスタイルで、かなりゴリラな佇まい。スタイリッシュなシルエットは設定画のイメージとはやや異なるものの、特徴を上手く捉えており、ザク直系MSとしての臭いを強く感じさせる辺りは、なかなか興味深いところ。とにもかくにも、“HCM-Proイチよく動く”その可動範囲は驚異的で、足首の多重ギミックなど脱帽するほかありません。組み立て作業が粗く、ゲート痕が目立ったり、接着剤がはみ出したりと、お世辞にも品質管理に優れているとは言えませんが、素体の完成度は「ヤクト・ドーガ」のそれに匹敵します。手抜きがなく、一見して地味ではあるものの、兵器としての格好良さはピカイチ。HCM-Proのハードルをまた一段引き上げたプレイバリューの高いキットです。

Amazon.co.jp:ゼーガペイン O.S.T.2

ゼーガペイン O.S.T.2

1〜2話を視聴して、ああこりゃ駄目だってんで引き上げたものの、ネット界隈での評判を聞きつけて出戻った「ゼーガペイン」。序盤と終盤の数話を見ただけでは、当然話の筋は全く掴めず、あまり突っ込んだ内容は分からないのですが、感想系サイトを眺めていると、SFとしてのモチーフは比較的しっかりとしており、演出意図も明確で、作品のテーマであるとか、イメージであるとか、スタッフのやりたい事、やろうとしていた事はよく理解出来ます。世界観の盛り立てに必要な素材も揃っていて、素性はとてもいい。ただ、その独特なマイナー感を払拭するには、ビジュアルがもう一歩及ばなかったようです。それだけではないのだろうけど、もうちょっと予算があって、作画やら何やらがしっかりしていれば、かなり良質なロボットアニメになったんじゃなかろうか……そういう意味では、大変惜しい作品だったのだと思います。

それはさておき、「ゼーガペイン」は、OP&EDを筆頭に、“切ない”“儚い萌え”と言われる世界観を表現した音楽が大変印象的でした。とりあえず、歌モノが全曲フルバージョンで収録されているということで「ゼーガペイン O.S.T.2」を購入。

格調高く洗練されたメロディと、甘美な陶酔感を誘う演奏。インストゥルメンタルを含めた個々の楽曲のクオリティは高く、緩やかなテンションを維持しつつも配慮の行き届いたプロデュースがディテールを引き締めており、アルバムとしての破綻のない流れが秀逸。完成度の高い1枚です。特に、作品世界を象徴するキーミュージック、ROCKY CHACK / リトルグッバイは出色。ロマンティックに高揚感を煽る“静かに熱い”粒揃いの楽曲達に彩られた名盤であり、サウンドトラックとしては「∀ガンダム O.S.T.」「攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX O.S.T.」各シリーズに匹敵し得る佳作です。

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