2007年05月18日 (金)

マスターグレード100体目は「∀ガンダム」に決定

「第46回静岡ホビーショー」レポートより。

100番目のMGは「ターンA」!! 第46回静岡ホビーショー開幕っ!!

ホワイトドールのご加護の元に。MG No.100メモリアルはまさかの「∀ガンダム」となりました。2007年8月発売予定、価格未定。形式番号はミリシャが暫定的に付与したWD-M01となっています。

17日現在、ラピッド試作品は間に合わなかったようで、会場にはホビージャパンと電撃ホビーマガジンの作例の他、MGについては開発画稿とCAD図面が展示されていました。カトキハジメによるものと思われる開発画稿は、重田敦司氏によるアニメ設定画とは微妙に異なるものの、スマートにまとめられています。CAD図面は旧1/100キットに比べるとかなりスリムで、シド・ミード氏のオリジナル画稿に近い印象ですが、頭部が小さく、胴寸長脚な雰囲気です。現段階で仕上がりを判断することは出来ませんが、胸部のミサイルハッチは開閉・取り外しが可能であり、股間のコアファイターは分離機構を内蔵、また、ふくらはぎのスラスターフレームが関節の動きに連動して可動するなど、MGで培った技術をフル活用したギミックを満載する予定。豊富な武装の他、牛(!)も付属するとのことで、これはもう洗濯物を再現してやるしかありません。

HCM Proは先を越されてしまいましたが、てっきり「RX-78-2 ガンダム ver.2.0」が来るものだとばかり思っていたので、嬉しい誤算であるのと同時に、久々に一筋縄ではいかないバンダイの屈折した良心を垣間見ることが出来ました。100が001になり、001が100にもなる“ターンA”の思し召しは、10余年にも及ぶMG史表の区切りであり、リセットでもあります。ガンダムシリーズの世界観を総括し、過去と未来への回答を提示した「∀ガンダム」が歴史碑となる100体目を飾るというのは、革新性を標榜したMGというマテリアルに花を添えるメモリアルキットとしてはあまりにも出来過ぎており、まあバンダイにしては随分と粋なことを考えたものです。正直、私がいくら「∀ガンダム」を愛していても、おヒゲのホワイトドールは世間一般では際物扱いされているMSであり、セールスを見込むのが難しいキット。これはいわばホビー事業部の道楽にも近しい挑戦であり、売り上げを度外視した奉仕の企画であると言えるでしょう。それは、“夢・クリエイション”に重きを置いたバンダイのロマンでもあり、漫然となりつつあったMGに久々に気骨のあるところを見せてくれたホビー事業部の英断を、個人的には高く評価しています。

(良い意味で)こんな馬鹿な企画を立ち上げ、それを実現してしまう社員連中がMG開発チームに残っているとは思わなかったので、なんだかとても嬉しくなってしまいました。

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