2016年03月01日 (火)

AudioQuest JitterBug

一応、アンプはマランツを贔屓している手前もあって、各種のオーディオサプライは同じくD&Mホールディングスが代理店を務めるaudioquestで揃えてしまいたいと思っているような、いないような昨今。色々考えるのが面倒臭い、思考停止ということでもあります。

その中でも、USBノイズフィルター「JitterBug」は比較的安価で手頃な製品ですが、このジャンルの製品は、例えば、雑誌の付録になるような小物でもあからさまな影響が見込めるほど、費用対効果の高いギミックとして知られています。それだけ、デスクトップオーディオにおいてノイズ対策は基本ということですね。

ただ、いくら電源が弱くノイジーな環境下とはいえ、HD-DAC1には売りの一つにもなっているデジタル・アイソレーション・システムが搭載されているので、二重フィルターとなると果たして効果は如何程のものか、といったところ。

Image:audioquest JitterBug

結論から言えば、成果は上々と言えます。より一層研ぎ澄まされた音場と抜けの良さ。S/N比が向上し中音域が実体感を伴って浮かび上がってきますが、意外にも「音像がスッキリし過ぎる」というようなことはなく、厚みが増して角が柔らかくなった音の当たりは「しなやか」とさえ呼べるもので、圧縮音源すらカバーできる深度のあるグルーブ感を形成。

そもそも、HD800自体は決して冷徹なモニターヘッドホンという訳ではなく、本質はいつもの柔和な禅サウンドなので、適切な音源を用いれば血の通ったステレオラウンド効果もマシマシ、といった塩梅。HD-DAC1 + HD800という解像度寄りの環境だからこその効果覿面、という部分もあるでしょう。

電源、プレーヤー、ケーブル......一口にノイズ対策と言っても手当てし始めるとキリがないのが実情ですが、こと「JitterBug」に限れば、気休め以上のプラセボが見込めるUSBノイズフィルターとして殊勝です。フェライトコアを噛ませるくらいならこれを買いましょう。

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