2009年02月17日 (火)

Firefoxアドオン「Foxmarks」

Firefox 3の登場と共に消えていった代表的なアドオンに「Google Browser Sync」があります。「Google Browser Sync」が提供していたサービスは、ブックマーク、履歴、クッキー、パスワードなどの環境データを異なるマシン間、Firefox間で共有し、同期するというもの。

元々、規模の小さいチームによって開発されていたアドオンなので、開発チームが別のプロジェクトに移行することで運用の継続が困難となり、2008年をもって全サポートが終了することになりました。プログラムそのものは開発中止のアナウンスから程なくしてオープンソースとして公開されましたが、後継サービスの登場には至っていません。

そこで、代替候補として挙げられたのが「Foxmarks」です。ただし、「Foxmarks」の提供するサービスはブックマークとパスワードの同期に限定されており、「Google Browser Sync」の機能をそのまま置き換えることは出来ません。当初、「Google Browser Sync」と類似の機能を包括的に提供する実質的な後継サービスとして期待されていたのは「Mozilla Weave」でしたが、現段階では実験的提供に留まっており、特定のプラットフォームでは動作しない、アクセスが集中して使えないことが多い、そもそも動作が極めて不安定であるなど、実用的に使える状態とは言い難いのが実情です。その点、サービスこそ限られるものの、「Foxmarks」は「Google Browser Sync」の代替としても充分な実用性があります。

「Foxmarks」は、Web上のサーバにブックマークを登録し、自動的に同期をしてくれます。アカウントにログインすることで、「Foxmarks」のサイト上から直接ブックマークを編集することも可能で、インターネットに繋がる環境さえあれば、いつでも同じブックマークを利用することが出来ます。バックグラウンドで常にプロセスを監視し、特定のタスクで自動的に同期を試みますが、動作が軽く、非常に安定しているのが特徴です。

「Foxmarks」は、これまでの度重なるバージョンアップにより、パスワードの保存・同期に対応、また、「Foxmarks」以外のローカルサーバでバックアップを管理出来る機能も実装するなど、高度な利便性を提供するに至りましたが、最新バージョンでは、専用のローカルアプリケーションをインストールすることで、遂にSafari / IE / iPhoneとの相互同期も可能となりました。“Firefox”という殻から飛び出した「Foxmarks」は、Mac環境におけるブックマーク同期ツールの決定版とも言える使い勝手を提供するもので、現状では最も手頃で使い易いシンクロサービスだと思います。

なお、Firefox環境を同期、或いは復元する上で、

「Google Browser Sync」→「Mozilla Weave」→「Foxmarks」

の役割を更に補完する立ち回りを期待出来るのが「BELOW」です。「BELOW」は、インストールしてあるアドオンのリストをWeb上にアップロードして、そこからアドオンのバックアップとリストアを実行することが出来るサービスです。アドオン本体をバックアップするのではなく、インストールしてあるアドオンのリストを登録することで、それを参考にアドオン配布元のサイトから直接プログラムをダウンロードする仕組みなので、経路遮断等の阻害要因によってシンクロ率にはバラツキがありますが、Firefoxとアドオンは切っても切れない関係にあるので、複数のパソコン環境を使い分ける必要のあるFirefoxユーザーにとっては非常に便利なアドオンだと思います。

ちなみに、拙環境ではどうかというと、「Mozilla Weave」ではアカウントの作成が完了せず、「BELOW」ではリストの登録が成功しない受難続きで、その実、唯一まともに動作したのが「Foxmarks」だけだったというオチに泣かされることになり、このエントリという名の俎上に直結しています。

参考リンク:
O.Z.K. : Firefoxアドオン「Mitterツールバー」
O.Z.K. : Firefoxアドオン:Google PageRank Status / SearchStatus
O.Z.K. : Firefox拡張「SBMカウンタ」
O.Z.K. : Firefoxアドオン「MeasureIt」
O.Z.K. : Webページをキャプチャーする「Pearl Crescent Page Saver」

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